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とりあえず欲望を抑えきれず沙雨那に抱き着いた俺。
いい香り。
「ん……お兄様……?」
やべぇ、沙雨那起きた。
とりあえず寝惚けているフリで突き通すか。
「起きてます?」
沙雨那が問うが俺は寝惚けているフリを貫き通した。
とりあえず俺は沙雨那の体(胸付近なのは言うまでもない)に顔を埋めた。
「もう、お兄様、今日だけですよ?」
沙雨那は優しい声でそう俺に言った。
「……本当はいつまでもやってて欲しいんですけどね……」
ん? 空耳かな。
「最近、私冷たいですよね……」
「お兄様が寝てるのなら何でも言えますよ」
よし、全部聞かせろ。
「お兄様の欲望なら満たしてあげるって言ったのに……」
そう言うと沙雨那の声はだんだん悲し気になってきた。
「お兄様、まだお兄様は私の事が好きですか……?」
沙雨那は寝てる俺(まあ起きてるけど)に訴えるように言った。
「……これから何でもしますからっ……。
何でも……しますから……。
愛想だけは尽かさないで下さいね……?」
沙雨那は身を翻して俺に覆い被さるような体形になって俺の耳許で小さく囁いた。
なんか悲しくなってきた。
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