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開演15分前、雨宮はアイデアを実行に移し始めた。
楽屋のタンスを開けると、そこには大神が数時間前に入れた時の体勢のまま入っていた。当たり前だとは思うがそれが妙におかしかった。
とりあえず大神をタンスから降ろすと、大神のカバンが目に入った。隠した時は気が付かなかったが、大神のカバンが気になった。
何か入っているのか…そんな事を考えてカバンを開けてみる。何か直感的な物が働いたのだ。
すると楽譜が見付かった、雨宮の直感は的中した。
カバンから取り出し、雨宮は楽譜に目を通していく内に気が付いた。
新作だ、雨宮はこれは恐らくそうであろうと確信した。無題ではあるが完成している。
これが欲しかったんだ…雨宮は楽譜を自分のカバンにしまった。
しかしそれで安心している場合じゃない。時間が無い、早くしないと。時間ギリギリのラインで勝負をかける計画だった。大神の両脇に腕を掛けて運び始めた。
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