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大神は怒りを露にした。
雨宮にも大神が怒る気持ちはよくわかった。申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
そしてこの事は雨宮にとって大きな過ちだった。久々に一人で遊びにでかけ、クラブで出会った女性と一夜を共にしたのだ。最初からそんなつもりでは無かった、しかし酔った勢いでの出来事で相手の名も知らないというのは、ある程度の女遊びを経験している雨宮にとっても刺激的なものになった。
目撃者がいたのは知らなかった…雨宮は焦った。戻せない過ちだった。
「わかってます。すみませんでした。あの時はたまたま酔っていて…」
「言い訳は聞きたくない。まだ楓には話していないが事実なら伝える必要がある。私だって昨夜聞いたばかりの情報だからな。」
「ちょっと待ってください。」
大神の判断に雨宮は焦りを隠せない。
「もういいじゃないか。楓との婚約は無かった事にしよう。それでいいな。」
「そんな…すみませんでした。あの時はどうかしてたんです!先生!」
「もう決めた事だ。楓もこの事を話せば納得するだろうな。」
「じゃあ例の曲は?」
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