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「そう。ならいいわ。予定通り開演出来るわね。」
秋子は爽やかに言った。この自然な爽やかさは彼女の魅力だった。
「どうしたの?何か心配事があった?」
雨宮は秋子に近づいて笑顔で言った。
「久々に日本で演奏するから緊張してるんじゃないかと思って。」
秋子も笑顔になりジョークを言った。こういう彼女の一言に救われる時がある。今も実際少し落ち着いた。
「大丈夫だよ。日本で出来るのは嬉しくてステージではしゃぎそうな位だよ。」
「それならいいわ。大先生も来るんでしょ?」
「ああ、多分ね。帰ってきてからもう何回かは会ってるけど、演奏はまだ聴いてないからね。まあ先生の事だからこっそり来るんじゃないかな?」
雨宮は大神の話題が出て内心ヒヤッとした。しかしタッチの差で痕跡を消した。今は彼の居た痕跡は無い。
「そうかもね。変人だからね。じゃあ、ゆっくりしてて。5分前に呼びに来るわ。」
秋子はそう言ってドアを閉めた。
彼女が突然ドアを開けた時は少し焦ったが、普段通りの彼女と話して落ち着いた。
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