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どこまで歩いたのか、草の生い茂る広場についた。
「さぁ、もう行きなさい。ここら辺ならそんなに車も通らないし安全だ」
えっ?
どこに行けばいいの?
僕はお家に帰りたいんだ。
ただそれだけなのに・・・
「あんたはこれから野良として生きなきゃいけないんだ」
えっ?意味が分からない・・・
僕は、
僕は・・・
「どうしてもお腹が空いたら、いつでも家に・・・」
嫌だ!
嫌なんだ!!
そう思ったと同時に僕は走り出した。
「コラ!待ちなっっ」
そんなおばあちゃんの制止する声が聞こえるハズもなく、めちゃくちゃに走った。
どこをどう走ったのか、気が付くと目の前に川が流れていた。
それは、澄んだキラキラ光るものではなく、薄汚れた灰色の川。
流れはそう早くないが、ここからは大分高さがある。
と、その時なにやら騒々しいような、楽しそうな声が聞こえた。
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