運命

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いつものようにカーテンの隙間から 眩しいくらいの光が射す。 夜の仕事を始めてから、起きるのはいつも太陽が一番高くなる正午である。 昨日も飲んだなぁ・・・・ 酒の匂いがまだ残る体を無理やり起こしタバコに火を付けた。 ミャー・・・ やだっ!! ミャァー! ちょっとこっち来ないでよ!! ・・・・!?・・・・ なんの騒ぎだ? フラつく足で下のリビングに降りた。 ミャァー ミャァー!! 猫!? 思わず振り返り部屋を見渡した。 そこには気持ち良さそうにクッションで寝ているココがいた。 違う・・・ ココじゃない・・・ ねぇ!! これ何の鳴き声? 母親が居間から飛び出してきた。 外? その鳴き声は今まで聞いたこともない声だった。 発情期の声でも、ケンカでもなく それはただ・・・ ただただ、悲しい悲鳴のようだった。 外だよね? うん。
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