97人が本棚に入れています
本棚に追加
ドアを開けると、秋の乾いた風が入ってきた。
やだぁー!
こっち来ないでよ!!
汚いわぁ!
あははっ!
きっと捨て猫よー
どこから来たのかしらねぇ
ミャァー!!
ミャァー!!!
隣りの家の前で井戸端会議でもしていたのか3人の主婦が目に入った。
と同時に・・・
灰色の小さい者が、ゆっくり・・・ゆっくり・・・フラつきながら、その井戸端会議をしている主婦に近付いて歩いてる。
お母さん!!
昨日の子・・・!
とっさにドアを閉めてしまった。
居間に駆け込んでしばらく考えた。
どうしょう・・・
どうしたらいいんだろう・・・
短い時間の間に多くの事を考えた。
今家にいるもう一匹の猫の事。
捨てられた猫を飼う大変さ。
あたしもう無理!!
妹が玄関に走って行った。
そう、
そうなんだ。
今目の前で消えかかった命がある。
その命を助ける事に比べたら、私が考えてる事なんてどうでもいい事なんだ。
最初のコメントを投稿しよう!