運命

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鳥が電線にとまり、口々に会話をしている様だ。 その騒々しさに目を開ける。 朝露で葉は水気を帯びて冷たい。 今日こそは帰らなきゃ! そこら中が傷だらけで体が重たい・・・ 思うように体は動かずに足元はフラついてしまう。 どうしょう・・・ もう声は出ないし、たくさん歩けそうにないや・・・・・ もうろうとした意識の中でかつての記憶がボンヤリと蘇る・・・ 暖かいフワフワした毛布。 僕はそれを噛んだり、キックしたり。 楽しかったなぁ・・・・ 幸せだったなぁ・・・・ あれ? 僕の顔に水がついてる? さっきの葉っぱが付いたのかなぁ・・・ あれ? 目がぼやけてる・・・ 違う。 葉っぱじゃない・・・ 僕の目から水が出てるんだぁ。 どうしょう・・・ 僕はどうしちゃったの? ママの事を考えただけなのに・・・
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