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「ほんと、火が消えたようですね。いつもの皮肉が聞こえないとこっちが狂っちゃう。アンジェがいないんじゃ私も寂しいけど。セイラン様が落ち込んでどうするんですか?アンジェ、セイラン様のために出掛けたんですよ。」
「え!?」
突然そんな言葉が聞こえて僕は弾かれたようにレイチェルを振り返った。
「どういうこと!?」
レイチェルの肩を掴んで問い詰める。
「やだ、アンジェったら、本人に何も言わずに言ったわけー?まぁ、あの子らしいけど・・・。でも、理由の分からないセイラン様もかなり鈍いかも・・・」
そんなこと聞きたい訳じゃない。
彼女はアンジェの行き先を知っているか。
何故、僕にも言わなかった事を彼女が知っているのか。
僕のそんな感情が伝わったのか、レイチェルは意地悪く笑みを浮かべる。
「教えてあげても良いですけど。条件がありますよー。」
「足元見るね。アンジェをくれって事以外だったらなんでもするよ。」
「うーん、ほとんど同じ事かもしれないですけど?」レイチェルの口から出た「条件」は、僕にとってはある意味、頭の痛くなるものではあった。
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