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弟も荷造りを終え、一時保護所に戻ることになった。
私は犬達に別れを告げ、荷物を担いだ。
犬達は尻尾を振って玄関までついて来た。
しかし、私の大きな荷物を見て、犬達の尻尾は下がった。
犬達も、またしばらく私が帰って来ないことを理解したらしく、悲しそうな目で私を見た。
兄は辛そうな顔で「またな。」と言った。
弟はずっと黙り込んでいた。
私は目に溜まった涙を一所懸命隠し、また作り笑顔で
「行ってきます!!」
と、元気よく家を後にした。
どうすることもできないのなら、諦めるしかない。
そう自分に言い聞かせながら、私は前を向いた。
公園の木々は芽をだし、春の訪れを告げていた。
私の心には、春なんてまだまだ先だった。
一時保護所に戻ると、いきなりの身体チェック。
危険物を持ち込んでいないか下着の中までチェックされた。
そして4月5日
一時保護所に別れを告げ、私と弟は車に乗り込んだ。
いよいよ児童養護施設へ行くのである。
車が動き出し、景色が変わりだした時
嫌だっ!!!!
行きたくない!!!!!!
私の心が叫んだ。
今まで、どうすることもできないと諦めていたはずなのに
私は初めて本当の気持ちが溢れ出した。
ずっと聞き分けの良い子を演じていた自分。
でも、本当は施設なんかに行きたくない。
家に帰りたいと、ずっと願っていた。
その願いは、わらにもすがるような思い。
しかし、私の思いは言葉にならず、車は施設に向かって走り続けた。
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