第一章 それはいきなりのこと

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校舎から出ると、目の前には白いワゴン車が停まっていた。 まず、そのワゴン車に女の人が乗り込むと、私にも乗るよう言ってきた。 が、あまりにも怪しすぎて私が乗るのをためらっていると ガバッ!!!! 後ろにいた男の人に抱きかかえられ、無理矢理車に乗せられた。 バタンっと車のドアが閉まると、男の人は運転席に乗り込み、車を発進させた。 「えぇっ!!!?」 抵抗する間もなく、私を乗せた車は学校を後にした。 ちらっとだが、泣きながら手を振っていた担任がいた。 …今思えば、これって拉致ですよね(・∀・) しばらくして、車が止まったかと思えばドアが開き、弟が私同様車に乗せられた。 「ね、姉ちゃ~ん!!!」 今にも泣きそうな弟が私にひっついてきた。 そしてまた車が動き出した。 しばらくして 「お二人にはこれからとある所で生活してもらいます。」 「えっ!?」 「家には帰れません。詳しいことは後で説明します。」 女の人はそれだけ言うと口を閉じてしまった。 この時、私は自分が施設で暮らさなくてはいけないことを知っていた。 いつかはやってくる日。 それが今日だったのである。
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