ルイスのメモ1

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ある種の寄生虫は、宿主となる生物の行動をコントロールする力がある。 その仕組みは解明されていないが、寄生虫による宿主の行動支配は一般的にもしられる話だ。 これらの寄生虫を研究すれば、この教団に伝わる「プラーガ」の力やその犠牲者である「ガナード」達の事を解明する手がかりになるかもしれない。 一応、以下に寄生虫が宿主の行動を支配する実例を記しておく。 【ディクロコエリウム】 (Dicrocoelium) この寄生虫の幼生が食道下神経筋に入った「アリ」は、なぜか草の先端を噛んでそこに身体を固定する。 しかもその行動は、羊が草を食べる、夕方から朝の時間にのみ行われる。 明らかに、わざと羊に食べられるよう行動させているのだ。 【ガラクトソマム】 (Galactosomum) この寄生虫の幼生は「ブリ」や「イシダイ」など、魚の脳に寄生する。 すると寄生された魚は、なぜか海鳥に捕まり易い海面を泳ぎ回るようになる。 もちろん海鳥の体内に入るのが目的だ。 【レウコクロリディウム】 (Leucochloridrum) この寄生虫の幼生は「カタツムリ」触角内で増殖し、毛虫のように動く。 さらに寄生された「カタツムリ」は、なぜか鳥に見つかり易い葉の表面に移動し、捕食されるのを待つ。 この方法を使って、寄生虫は鳥の体内に入り、成虫になるのだ。
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