王子様

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   新一は受け取ったカタログに目を通し、笑顔になる。 「これこれ。こいつが欲しいんだって! ……よしゃっ! 気合い入れて働いてくる!」 「お―…。そのギター持ってたらカッコイイだろうね。頑張れよ」  新一は親指を立てて、廊下へと走り出した。 「あ、谷口!」  呼び止めたのは、担任だった。教壇側の出入口から、覗き込むようにしている。  新一は仕方なく廊下を出てから担任の近くまで歩く。 「お前、まだ進路希望調書提出してないだろ」
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