お姫様

7/13
前へ
/357ページ
次へ
「新入りじゃなくて、新一。……まぁ新入りだけど」  女の子は歯を見せてイヒヒ、といわんばかりの悪そうな笑顔になる。 「じゃあ、やっぱり新入りだっ!」 「……」  どう答えたものか考えた隙に、女の子は新一と台車の間をするりと抜けてレジへと駆け出した。 「店長~っ!」 「? ………あっ!?」  新一の脳裏に、あの悪い笑みが浮かぶ。 「ちょ、タンマ!」  新一も女の子の後を追ったものの、そんなに広くないこの店のこと。  女の子はとっくにレジに到達していた。
/357ページ

最初のコメントを投稿しよう!

326人が本棚に入れています
本棚に追加