出会い

10/37
前へ
/68ページ
次へ
友達のひとりやふたり 居るだろうに なんでまた俺なんかを…。 俺は逆光に目を細めながら 坂を見上げる。 どうせ ずぐそこまでだ。 朋也 「好きにしてくれ」 言って 再び歩き出す。 女の子 「待ってください」 朋也 「今度はなんだよ」 彼女は俺を見つめながら… 女の子 「あんパンっ…」 そう言った。 朋也 「………」 俺はなんて答えればいいのだろうか。 朋也 「フランスパン」 女の子 「なんのことだか よくわからないです」 朋也 「それはこっちのセリフだ なんだ あんパンが好きなだけか」 女の子 「いえ 取り立てては といっても嫌いなわけではないです。 どっちかというと好きです」 回りくどい奴だった。別になんでもいい。 朋也 「いくぞ」 女の子 「はいっ」 その返事は 少しだけ元気になっていた。 謎の言葉は まじないか何かだったのか。 たとたとたとっ… 後ろから駆け足に近い足音が聞こえ続けた。 ………。 チャイムが鳴り授業が終わった。 女子生徒 「あの…」 朋也 「…ん?」 不意に声をかけられ振り向く。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

430人が本棚に入れています
本棚に追加