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朋也 「今ここにいるのは あなたにお仕えする ただのお茶くみなのです…てさ
はい お茶」
春原 「壮大な嘘つくなっ」
朋也 「じゃあ 最後のお茶でいいから」
春原 「最初も最後もねぇよっ」
朋也 「いや 感動的だぜ。これ聞いたら おまえは 絶対入れたくなるな
大怪我を負ったおまえは もう助かりそうもなかった
そのおまえに のどが渇いた俺は お茶くみを命ずる
すると おまえは最後の力を振り絞り 這いつくばりながらも お茶を入れにいくんだ
そして… 岡崎様…お茶でございます…
そして これが…最後の…お茶となります…
死に顔は 笑顔なんだ」
春原 「僕 ムチャクチャ本望そうっすね」
朋也 「それが おまえの望みなんだって
そして 俺は 泣きながらに その最後のお茶を飲む
な 感動的だろ
はい お茶」
春原 「出ねぇってのっ」
それからは 雑誌を読んで 過ごす。
テレビはないので 話すか 本を読む以外に 時間を潰す方法はなかった。
春原 「ふわ…
そろそろ寝ない?」
すでに日付は変わり 深夜となっていた。
朋也 「ああ…そうだな」
俺は春原の部屋に泊まることだけはしなかった。
こんな奴と共に朝を迎えるなんて 想像しただけでも 憂鬱になる。
春原 「じゃ 僕 シャワー浴びてくっから」
朋也 「ああ」
部屋の隅で山とやっている衣類の中から 下着とタオルを引っ張り出すと 春原は部屋を出ていく。
朋也 「………」
シャワーから戻ってきた春原を迎える という状況もできたら避けたい。
今のうちに帰ることにしよう。
雑誌を閉じて 体を起こす。
すると すぐ正面 一台のラジカセと向き合わせになる。
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