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次の日から私は霊夢と行動を共にした。
魔理沙の隣にはパチュリーが居て、少しだけ気まずかったからだ。
今日の天気は曇りだった。
「霊夢、霊夢は何でこの寒空の下…腋と首周りを出して居るの?」
「それはね、走って追い掛ける時に便利だからよ。あとルックス的な問題。」
「誰を追い掛けたいの?」
「賽銭泥棒よ。」
「お賽銭は入ってるの?」
「…どうかしらね。」
「よう、何の話してんだ?」
「な、何でもないわ。行こ…霊夢。」
最近魔理沙の機嫌が悪かった。だから怖かったのだ、話す事も。近寄る事も。
これ以上、嫌われたくない──
「──…。」
「魔理沙?どうしたの?」
「パチェ…。」
「凄く怖い顔してるわよ、貴女。」
「…アリスが…最近私を避けるんだ。」
「……っ。」
「霊夢とばっかりつるむんだ。私、嫌われたのかな…。」
「……そうかもしれないわね。」
「…ッ…──そう、か。」
「上海がないわ…。」
「アリス、どうしたの?」
「霊夢…上海が居ないの。ちゃんと鞄に入れておいたのに。」
「そう、なら…一緒に探してあげる。」
「ん…。」
「あ…。きっとパチュリーの仕業だわ。」
「パチュリー?」
「そうよ、いつも私に突っ掛かって来るんだもの。あの娘しか居ない…っ。」
「待って、アリス。決め付けるのは駄目よ。」
「だって!!」
「──私じゃないわよ。」
「…え?」
「パチュリー…。」
「私じゃないって言っているの。」
「嘘はやめてよ。アンタしか居ないでしょ…こんな事するの。」
「そんな性悪な事をしたら、それこそ根暗って言われそうだし。」
「…ぁ…。この前は、その…ごめん…。」
「……気にしてないわ。」
「…気にしてるくせに。」
「うるさいわね。…それより、上海人形を持って行った人物を私は知ってるわ。」
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