『東方幼稚園』

4/9
前へ
/30ページ
次へ
次の日から私は霊夢と行動を共にした。 魔理沙の隣にはパチュリーが居て、少しだけ気まずかったからだ。 今日の天気は曇りだった。 「霊夢、霊夢は何でこの寒空の下…腋と首周りを出して居るの?」 「それはね、走って追い掛ける時に便利だからよ。あとルックス的な問題。」 「誰を追い掛けたいの?」 「賽銭泥棒よ。」 「お賽銭は入ってるの?」 「…どうかしらね。」 「よう、何の話してんだ?」 「な、何でもないわ。行こ…霊夢。」 最近魔理沙の機嫌が悪かった。だから怖かったのだ、話す事も。近寄る事も。 これ以上、嫌われたくない── 「──…。」 「魔理沙?どうしたの?」 「パチェ…。」 「凄く怖い顔してるわよ、貴女。」 「…アリスが…最近私を避けるんだ。」 「……っ。」 「霊夢とばっかりつるむんだ。私、嫌われたのかな…。」 「……そうかもしれないわね。」 「…ッ…──そう、か。」 「上海がないわ…。」 「アリス、どうしたの?」 「霊夢…上海が居ないの。ちゃんと鞄に入れておいたのに。」 「そう、なら…一緒に探してあげる。」 「ん…。」 「あ…。きっとパチュリーの仕業だわ。」 「パチュリー?」 「そうよ、いつも私に突っ掛かって来るんだもの。あの娘しか居ない…っ。」 「待って、アリス。決め付けるのは駄目よ。」 「だって!!」 「──私じゃないわよ。」 「…え?」 「パチュリー…。」 「私じゃないって言っているの。」 「嘘はやめてよ。アンタしか居ないでしょ…こんな事するの。」 「そんな性悪な事をしたら、それこそ根暗って言われそうだし。」 「…ぁ…。この前は、その…ごめん…。」 「……気にしてないわ。」 「…気にしてるくせに。」 「うるさいわね。…それより、上海人形を持って行った人物を私は知ってるわ。」 →
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加