84人が本棚に入れています
本棚に追加
/198ページ
オイラの名前は龍(りゅう)。
かっこいいだろ?
自分でつけた名前なんだ。
父ちゃんと母ちゃんはオイラに名前をつける前に死んだ。
すごく貧しい村でみんな餓死したらしい。
母ちゃんは最後の力を振り絞って産んでくれたんだってさ。
痩せ細った赤ん坊のオイラを育ててくれたのは妖怪。
衰弱しきってたオイラをここまで育ててくれた。
そいつは全身緑色でゴツゴツしてて
目は細くて金色。
名前は鋭緑(えいりょく)。
鋭緑は人間の言葉を話してたから言葉は自然と覚えた。
でも何日か前に突然居なくなった。
理由は分かってる。
「妖怪と暮らしている子供なんて気味悪がって誰も近寄ってこねぇ。
やっぱり人間は人間と居た方が幸せなんだろうな。」
いつもそう言ってた。
最初のコメントを投稿しよう!