84人が本棚に入れています
本棚に追加
『この辺りだと思うのですが…』
鬼姫はそう言いながら立ち止まった。
「あれ?楓は?」
オイラは楓がいないことに気づいて辺りを見回した。
『…もしかして!』
鬼姫が慌ててそう言った時…
《ぎゃ~~~~!!》
突然すごい音が聞こえた。
聞こえたと言うより
頭に直接響く感じ。
もしかしてこれって…
楓の泣き声!?
オイラは何故か立っていられなくなった。
走って行く鬼姫の後をフラフラしながらなんとか追って行ったら
楓が泣きながら立っていた。
『楓!
やめなさい!』
鬼姫が楓に怒鳴った。
楓は振り返って鬼姫に気づくと泣き止んだ。
楓の足の方へ視線を移すと
男が血を吐いて倒れていた。
多分死んでるな…
『またやってしまいましたね…』
鬼姫が呆れたように呟いた。
その言い方…
まさか楓がやったのか!?
最初のコメントを投稿しよう!