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徨びやかな光る白銀で造り上げられた洋風の甲冑。
上から下まで精巧に少しの誤差なくデザインされ、高々と掲げられた手には、白銀の甲冑に負けず劣らず輝く剣。
この王国を治める王に認められた者だけが、身に着ける事、名乗る事を許された、最も名誉で、誰もが憧れる存在。
『セイバー』
最も強く、最も賢く、最も忠義に溢れる存在。それが『セイバー』
騎士の中の騎士。王国の象徴とも言うべき存在。
子供達は夢を見る。自分が『セイバー』となり、ただ忠義のため、自分の信じた正義のために剣を振るう、その姿を
更に子供達が希望を強く持てるのには理由がある。
今の世の中。地位がものを言う。そう、貴族と呼ばれる者達だ。
しかし、騎士団は地位など関係ない、誰でも血筋、家柄関係なく『セイバー』になれる可能性があるのだ。
当然入団を希望する者が後をたたないのが現状で、当たり前の様に入団試験が存在する。
そして、今日も希望を輝かせ――
「僕にもチャンスが来たんだ! よぉーし、華麗な包丁捌きを見せて付けてやる! お城での『コックさん』を確実に僕の手中に! ふふふ……」
――輝かせて、騎士になるための試験を受ける者達が、集まった。
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