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「わかるのよ、女の子の気持ち。私も店出てるから」
私は、は?って思った。わかるはずないよ。全然嬉しくない。あんたなんか大嫌いになった、いまこの瞬間。
一応写真撮らせてもらうことになってるから、と言うから私はベッドに横になった。もうちょっと上目使い、右寄ってくれる?といわれもぞもぞすると、汚いシーツの青や白がちらほら視界を動くのだった。
プーさんの黒ずんだまくら。私はプーさんをその時嫌いになった。だってそれには男のイカくさいものや汗や唾液がたっぷり染みこんでいる。夢の国の住人の現実だった。
閉めきったままのカーテンを開けたらぶわっ、と埃が立つんだと思うといっそう暗い気持ちになる。
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