6.初めて

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丁度ステージ上に全員集まったとき、アーティスト同士が手を組んでずらりと並んでいる。 子どものころに遊んだ「花一匁(はないちもんめ)」のような態勢だ。 そして中心にいる人が声を張り上げて、全員でタイミング良く会釈した。 ―――わあああああああ 当然会場からは歓声が上がる。 あいつはどこだ? …いた、まさかの同じ色同じデザインTシャツだ。 「…マジで?」 「さすが!仲良いわね~♪」 「冗談!!何でこの色選ぶのよー!!被らないようにしようと思ったのにぃい!!!!!」 「諦めろって。(理皇君がチェックしないわけないじゃん)」 その時ほんの一瞬だと思うが、あいつと目が合った気がした。 気のせいかもしれないけれど、あの憎らしい馬鹿にしたような笑顔でこう微笑んだのだ。 (ざ・ま・あ) やっぱりあいつはあいつということだ!!
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