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だから、精一杯の心をこめて歌った。
それに応えるかのように、会場からも歌声が響く。
今まさに俺たちは一つになっている。
互いと互いを、他人と他人を結び付ける、そんな共有された空間に包まれる。
これが「音楽」なのだと、まだまだ駆け出しの俺でもそう思った。
音を楽しむ、この気持ちをみんなにも伝えることができたら良い。
そして、心から音楽を楽しんでほしい。
(花音…っと、気持ち良さそうにしてるな)
元から「音」に敏感な彼女のことだ、上手く溶け込んでいる。
こんなときでも目で追ってしまうのは、姉バカなのかそれとも…
大歓声の中ライヴは終了した。
もちろんアンコールも1曲やったぜ?
俺自身音楽が好きなんだと再認識できたのも良かったけど、一番は花音が見に来てる中で成功したことだと思う。
あいつもきっと喜んでくれたんじゃないかと期待している俺がいる。
昔から俺と花音は感性が似ているから、あいつも同じように感じているかもしれない。
無事に終わってよかった…来てくれてありがとな、花音。
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