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16歳ぐらいの少年が人通りのない道を歩いていた。
制服を着ていて、今の時間が午後5時である事からすると高校生のようだ。
少年はテストの解答用紙をため息を吐きながら眺めている。
解答用紙の名前の欄には藤原大貴と書かれている。
どうやらそれが少年の名前らしい。
大「あーあ…、またテスト赤点だし…」
大貴は呟きながら再び溜息を吐いた。
このままではまた補修になってしまうのだ。
大貴がしばらく歩いていると道の真ん中黒い塊があった。
大「何だ?」
大貴は不思議そうに呟くとゆっくり黒い塊に近づいた。
近くで見ると黒い塊は大貴と同じくらいの歳の男子だった。
大「人…か?」
大貴は少し驚いたように呟くと男子の肩を揺さぶった。
すると男子はゆっくりと目を開けた。
大「気が付いたか…。」
男「あなたは…?」
大「藤原大貴だ。君は?」
レ「レイン…です。あの…此処は一体…」
レインは戸惑いながら呟いた。
大貴はレインを興味深そうに見ていた。
レインの服はこの世界にあるかどうか分からないような服だ。
大貴はレインの全身をゆっくり見て、驚いたようにレインの顔を見た。
レ「あの…どうしたんですか?」
大「少し話を聞きたい。着いてきてくれないか?」
大貴が言うとレインは少し悩んだ揚句ゆっくりと頷いた。
見知らぬ土地にいる以上、自分で動くのは危険と判断したのだ。
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