◇ひとり◇

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両親は 私が5歳のときに 離婚している。 私は母に引き取られ、 小さいアパートの一室で暮らしてきた。 1年たって 私は小学校に入学した。 その頃から、 母は毎日 朝早くに起き 化粧をして 出かけるようになった。 私は、不思議に思い、 母に尋ねた。 (…ひとりは、きらいなの) 母は とても寂しそうに そう つぶやいた。 私は、 母を元気づけたくて 言った。 (私が、いるよ) それでも 母は寂しそうな顔のまま 苦しそうに 笑った。 (…あんたじゃ、だめなの) .
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