守ってあげる

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「この前の約束覚えてるのかなぁ?」     瑞希の言葉に約束なんてしたっけ?と思っていると………思い出した。   試合に勝ったら……。   そこまで思い出して、顔が赤くなるのを必死で堪える。     「稲穂? ……寝てるしいいよね? では、いただきまー……」     「『す』じゃないし! 試合に勝ったらって言ってたし結局、試合は負けたから無効!! てか寝込みを襲うなっ」     言い切ったあたしを見て瑞希は笑っていた。   …ん?   もしかして…?     「寝たフリしてるのバレバレだよ? で、何でそんな不機嫌なの?」     ……瑞希には何でもお見通しのようです。   はぁ…瑞希には知られたくなかったな。   でもなるべく隠し事はしたくなかったあたしは、俯きながら保健室にある例のモノを指差した。     「……もしかして…」    
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