守ってあげる

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「瑞希の思ってる通りだよ…」     あたしは起き上がっていた上半身をまたベッドに沈めた。     「何センチ?」     「……2センチ」     はぁ…と盛大な溜め息が零れる。   さすがに高2にもなって背が伸びるとは思わなかった。     「稲穂、ちょっと立ってみてよ」     ふいに聞こえた瑞希の声。   あたしは渋々立ち上がった。   瑞希はあたしの横に立つと、頭をポンポンとした。     「確か前に175って言ってたから、今は177って事だよね?」     瑞希の言葉に小さく頷いた。   そりゃ、世の中にはもっと背の高い女の人なんてたくさんいるんだろうけど、一般的にはかなり背の高い部類に入る。   はぁ…と、また溜め息をつくと頭の上から瑞希の優しい声が聞こえた。    
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