守ってあげる

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「だだだダメ!! ほ、ほらっ、今って大会前だし集中しないと!! ねっ!? だからそれが終わってからにしよっ!?」     ………あたし何て言った?   とっさに出た自分の言葉に思わず呆然としてしまった。   瑞希はチュッと軽くキスをしてから、笑顔であたしの上から退いた。     「稲穂、約束だよ? じゃあ、年明けくらいだね。 それを励みに頑張んないとなぁ。 さっ、チャイム鳴るし教室戻ろう」     まるでルンルンとスキップしているんじゃないかと錯覚するほどご機嫌な瑞希。     「…さっき我慢できないかもって言ったのは……嘘?」     そんなあたしの呟きに気付いた瑞希はさらっと言った。     「嘘じゃないよ。 でも、あくまでも『かも』だからね? 今まで何年も待ったんだから後何ヵ月かくらいは待てるよ。 稲穂がどうしても嫌なら無理にはしないけど、僕は稲穂が大好きだからそういう事もしたいと思ってるよ。 だから稲穂も僕が好きなら心の準備はしておいて欲しいな」     「…分かった…………多分」     あたしはそう答えるしかなかった。    
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