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中3の春。
部活の地区大会。
早々と優勝を決めたあたし達、女子バスケ部は男子バスケ部の決勝戦の応援に駆けつけた。
「えっ!?
ちょっ…何アイツ…」
あたしの目には、中学生らしからぬ長身に、ずば抜けたバスケの技術を持った1人の男子生徒が映っていた。
そこそこ強いうちの男バスが、大差をつけて負けている。
あんな選手…今までいた?
見覚えのないそいつは、うちの男バス部員のマークを軽がると抜いて、3Pシュートを放った。
綺麗なフォームで投げたボールは、弧を描いて吸い込まれるようにリングに入った。
沸き上がる相手中学の歓声。
あたしは、ただただその男子生徒を見つめていた。
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