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2月13日
ちかは3歳になる雅夫の手を引いて、大学病院の4階入院病棟のスタッフ・ステーション横の、インフォームド・コンセットルーム(相談室)に向かっていた。
夫の純一は、一週間ほど前から胃の具合が悪くて食べ物が食べられないと言い出して、近所の総合病院に行ったが、精密な検査が必要と診断された。
そして、一昨日から、この大学病院に入院していた。3畳ほどの部屋にはテーブルとパイプ椅子、それにテーブルと上には、パソコンがあった。
担当医はレントゲン写真と検査データで、純一の検査結果の説明を始めた。
「胆のう癌ですそれも末期の。」
担当医は申し訳なさそうに
結論から話した。
ちかは医師から呼び出しがあった時から、うすうす最悪の結果を覚悟していたからあまり驚かなかった。
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