第一章・鈴木五郎

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しばらく走っていると、陸上部の後輩が登校してきた。 「おはようございます、部長」 「やあ、中山君。おはようございます」 もちろん、僕は陸上部でも部長を務めている。 後輩からの信頼も厚い。 中山君は、僕をとても尊敬してくれていて、僕達が引退したら部長になる予定の子だ。 彼は、世間一般で言う、お洒落さんであり、二枚目である。 ……悔しいが、彼のお洒落リーダーっぷりは、僕の青縁眼鏡でも敵わないのだ。 何故、こんなにもイケメンなんだ!? 僕がこんなにイケメンだったら、もっと積極的に長谷川さんに…… 「部長、僕、転校することになりました!」 何。 「今までお世話になりました!」 なんだと? 「僕、先輩のこと、凄く尊敬してました!これからも頑張って下さい!お元気で!」 彼は、100メートルの選手。 全力で走り去って行った。
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