第一章・鈴木五郎

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今日は一日ハッピーだ! 長谷川さんの眼鏡っ♪長谷川さんの眼鏡っ♪ 終始ニヤニヤしながらも、一日の授業をしっかりと終えた。 起立! 気をつけ! さよーなら! 無駄な動きを一切せず荷物をまとめ、まっすぐ帰宅しようとした。そしたら、呼び止められた。 「ねぇ、鈴木くん」 「はい!何でございますか?長谷川さんっ!」 「私、家帰ってから眼鏡ないと困るから、返して欲しいんだけど……」 「あっ!そうですよね!大変申し訳ございませんでした!」 急いで眼鏡を外したら、一気に世界がぐちょぐちょな感じになり、よろめいた。 「大丈夫?」 「すっ、すみませんっ!眼鏡が無いと、何も見えないので……」 「そっかぁ。危ないから、お家まで眼鏡かけて帰りなよ」 「え、でも……」 「だから、鈴木くん家まで一緒に行っちゃだめかな?」 「そそそそそんなっ!滅相もない!すみませんっ!お手数ですが、よろしくお願い致します!」 「ありがとっ。じゃあ行こうか」 「はいっ!」
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