第一章・鈴木五郎

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うひょーっ! 長谷川さんと下校デートだ! 人生で初めての女の子とのデートが憧れの長谷川さんとだなんて! 僕は幸せ者だ……! 「鈴木くんってほんと頭いいよねぇ」 長谷川さんが他愛もない会話をしてくれる。幸せー! 「いや、そんな、長谷川さんには勝るとも劣りませんよ!」 「それ、謙遜になってないから!」 長谷川さんが笑っている。美しいなあ…… うきうきしていたら、いつの間にか家についてしまった。 「今日は、わざわざありがとうございました」 そう言って眼鏡を長谷川さんに返して頭を下げた。 「いえいえ!木場くんにちゃんと注意してた鈴木くん、かっこよかったよ!じゃあ、また明日ねーっ」 長谷川さんが手を振りながら去っていった。ような気がした。
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