第一章・鈴木五郎

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母上は、すぐに新しい眼鏡を買ってくれた。 いつも黒縁の眼鏡だったが、ちょっとオシャレして青い縁にしてみた。 母上は、『黒縁の方が賢そうに見えるわよ』とおっしゃっていたが、『最近、眼鏡もはっしょん……?の一部なんです!』と反抗してしまった。 人生で初めて、母上に反抗してしまった。 自分には無いと思っていたが、これが反抗期というやつか。 『木場くんにちゃんと注意してた鈴木くん、かっこよかったよ!』 長谷川さんの言葉を思い出して、ニヤニヤする。 『かっこよかったよ!』 『かっこよかったよ!』 『かっこよかったよ!』 脳内でリピートして楽しんだ。 長谷川さんは青縁眼鏡の僕もかっこいいと言ってくれるだろうか? 明日学校に行くのが楽しみだ。
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