出会い

2/12
前へ
/55ページ
次へ
先生のカウンセリングには私はなんでも話せた あの別れた彼の性癖が嫌だったとか、流産した時、反面ホッとしたとか… とにかく前の先生みたいに尋問じみた質問は一切なかったのだ 『買い物は好き?』 『大好きです。でも…必要ないものまで買ってしまいました』 『高い品物?』 『何千円くらいなもの』 『服とか?』 『いえ、CDとか本です』 『本当は欲しかったのかな?聴いたり読んだりしてみた?』 『してないです…』 『じゃあ今度聴いてみようよ。きっと心のどこかに聴いてみたいなって思ってたのかも(笑)本も先生に見せてくれよ。おもしろいかもしれないぞ』先生は大声で笑った 私もつられて笑った 『勉強することだっていい事だよ。でもむきになってしないこと。趣味ていどにしとけば楽しくなるよ』 私は病室に戻って、お兄ちゃんがもってきてくれた本や封の開いてないCDを見た 本は恋愛小説ばかり CDはリラクゼーションの曲やクラシックばかりだ…私はクラシックの一枚の封を開けた ポータブルCDにディスクを入れてヘッドフォンで聴いた ピアノの曲が優しく流れる 私はヘッドフォンをしたまま居眠りをしてしまった
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

740人が本棚に入れています
本棚に追加