出会い

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内科の検査 数値は下がってきて、落ち着いてきた 今まで車椅子だったけどもう歩いて病院内もあるける。私は内科の帰りに売店に雑誌を買いに行った お金を払う時人にぶつかった 『すみません』と私はすぐに謝った すごく怖そうな男の人…『こらお前気をつけろよ!』とツレの人が怒った 『大丈夫、こっちこそごめんな、お嬢さん』とその人は落ちた雑誌を拾って笑ってくれた ツレの人が私を見てこういった『あやめ!お前辻野あやめじゃない?』 『そう…あ、もしかして耕平ちゃん?田辺耕平ちゃん』 田辺耕平…実は中学までの幼なじみだ 『なんだ、耕平の知り合いか(笑)』と男の人は笑った 『あやめ入院してるのか?』 『うん…もう一ヶ月になるかな』 『お見舞いいくよ、どこの病棟?』 私は少しためらった 『耕平、いくら幼なじみでも男がお見舞いははずかしいもんだ。もっと落ち着いたらいってやれよ』と男の人は言った 『そうっすね(笑)これ俺の携帯の番号とアドレスだ。なんかあったらいつでもかけてこいよ』 『ありがとう(笑)』 皺くちゃの紙を耕平は渡してくれた 『あの…お友達の方なんておっしゃるんですか?』 男の人は名刺を出してにこっと笑った 『税理士 江川薫』見た目とのギャップに私は驚いた 『みんな驚きますよ(笑)』 『俺一応勤めてるんだ』 『そうなんだ(笑)耕平ちゃん頭よかったもんね』 私達はそこで手を振って別れた
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