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翌日からはまた旦那さんが一人できていた
青山さんが入院して半月後…旦那さんはこなくなった
中庭にでると、青山さんが小児病棟の子供達に囲まれて絵本を読んでいた
すごく楽しそうで子供達はどんどん増えていく
『青山さんは保母さんだったから子供に人気者』と看護婦さんが言った
『だから絵本の読み方上手いんですね。楽しそう』
『青山さん…離婚したんだよ。だから旧姓に戻って、三浦さん…』
やっぱり…あの日旦那さんが来た時離婚届けだしたんだ…
私は青山さん…いや三浦さんのところに行き子供達と一緒に絵本の話しを聞いていた
三浦さんは私の顔をみてニコッとわらった
清々しい笑顔だった
『おーい!あやめ!』
耕平ちゃんだ。私達のところにやってきた
『あ、三浦さん、私の幼なじみの田辺耕平君です』
『はじめまして、同じ病室の三浦凛子です。あやめちゃんの仲良しがこんなおばさんでごめんなさいね』と三浦さんは笑った
『田辺耕平です!おばさんなんて!お綺麗ですよ!』
耕平ちゃんがこんな事言うの珍しい(笑)
私と耕平ちゃんは病室に戻った
『あんな人前いた?』
『一ヶ月前に入院してきた人だよ。私達より9歳上かな。綺麗な人でしょ?優しいし、いい人。昔保母さんしてたんだって』
『そんなイメージあるな。旦那さんうらやましいや』
『…この前離婚したんだって。病気のせいみたい』
『ホントに?』
『いろいろ事情あるみたい。お互い頑張ろうねって私が反対に励まされちゃって(笑)』
『肌なんか透き通るように白くて、すげぇ綺麗…』
『何よ(笑)一目惚れ?』
『ばーか(笑)一般論!』
私達は顔を見合わせて笑った
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