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小さな再起
病院からやっと働いてもいいという許可がでた
でも毎日じゃない仕事、短時間が条件だ
できたら歩いて行ける所を探してみた
駅前に昔からあった古本屋さんが潰れて、小さな喫茶店ができた
週に3日ランチタイムだけのバイト募集が貼られていた
私は店にそっと入ってみた
60代くらいのご夫婦がやってる店だった
定年退職後の夢だったらしい
月曜、火曜、水曜のランチタイムの3時間がなかなか切り盛りできないらしい
私は病気の事も正直に話して雇って欲しいと頼んでみた
二人はあっさり、来て下さいと言ってくれた
来週からと言う事で私はすぐに耕平ちゃんにメールしておいた
よかった…これで少しは生活費入れる事できるんだ…
私はその足で三浦さんの店に行ってみた
店は小さいけど綺麗な花でいっぱいだ
『いらっしゃいませ…あら!あやめちゃん!』
『ご無沙汰してます』
『すごく元気そう。田辺君、よく来てくれるのよ』
『聞きました(笑)私もやっと仕事決まったんですよ。週に3日の3時間なんですけど来週からです』
『よかったわね。どんな仕事?』
『小さな喫茶店です。ランチタイムの時だけ。家から歩いて行けるんです』
『だったら安心ね、ご家族の皆さんも元気?』
『はい。やっぱり私が元気になると(笑)』
私はお母さんの好きなガーベラを買って家に帰った
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