☆衝撃の入学式☆

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  あたしは松川さんの腕を掴んだまま、その人に頭を下げ、中庭の方へ小走りで向かった。   「じゃあねぇ~。」   可愛い笑顔で手を振る彼に、あたしは振り返りながら、何度もお辞儀をした。   優しそうな人だったなぁ。先輩だよね?   「杏那!?」(陽)   そんなことを考えていたら、松川さんに叫ばれた。   「はい?」(杏)   「“はい?”じゃなぁ~い!腕、離せ!この体勢、めちゃくちゃ恐いから!?」(陽)   「…ごめんなさい!忘れてた!」(杏)   あたしは慌てて手を離した。 確かに、後ろ向きで走ってる松川さん、恐いよね…   「杏那…ボクを殺す気だったよね?」(陽)   「!?まさか!違うよ!」(杏)   思いっきり否定するあたしに、疑いの目を向けたまま、松川さんは歩き出した。   「ま‥松川さぁ~ん。」(杏)   情けない声を出しながら、松川さんの後を追って行くと、中庭近くで立ち止まり、あたしを見て言った。   「許してあげてもいいけど…条件がある。」(陽)   「なに?!」(杏)   勢いよく言うと、松川さんは“ニッ”っと笑って。   「“陽良”って呼んだら許してやるよ」(陽)   と言った。  
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