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あたしは満面の笑顔で。
「陽良!」(杏)
と呼んだ。
「よし!許してやる。」(陽)
あたしは陽良に駆け寄って、左腕にしがみついた。
「できた!友達!」(杏)
「はっ!なぁ~んだそれ!」(陽)
陽良が笑いながら歩き出した。
だって、不安が解消されたんだもん!
駅を下りた時、この学校でやっていけるか、友達ができるか…本当に不安になった。
あたしみたいな子が…モデル並の子たちの中に入っていけるわけがない。
陽良にぶつかられた時、本当は、帰ろうかな…って思ってたんだ。
よかった…
ぶつかってきたのが陽良で。本当によかった!
それから、中庭に設置されている掲示板に、陽良と二人で目をやる。
掲示板にはクラスと名前が書いてある紙が貼られていた。
「さってっと…ボクは何組みかなぁ~。」(陽)
そう言って、陽良は後ろのクラスから見始めた。
「あたし、前の方から見てくね?」(杏)
「あぁ。ボクの名前も見てってな。」(陽)
「わかってるよん。」(杏)
陽良から離れて、前の方へと歩いて行った。
松川‥宮沢…松川…
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