75人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女はあたしを追い越して歩いて行く。
あたしより背が高く、スラッと伸びた背中をあたしは追いかけた。
彼女もボーイッシュな感じだけど、顔は整っていて、スタイルの良い、とても綺麗な子だった。
少し歩いていると、彼女は後ろを歩くあたしに振り返り。
「1年だよね?」
と言った。
「え?あたし?」(杏)
そう言って自分を指差すと、また『くはっ。』と笑って。
「他に誰かいんの?」
と言った。
苦笑いをして『1年です。』と答えたら。
「一緒じゃん。」
…1年生なんだ。
「そうなんだ、一緒だね。」(杏)
「そんな後ろ歩いてないでさ、ぶつかったのも何かの縁?って感じで、一緒に行かない?」
あたしは嬉しさを隠しきれなくて、思わず…
「やったぁ!!」(杏)
と叫んでしまった。
彼女はビックリして、切れ長の目を見開いていたけど、すぐに爆笑に変わっていた。
「ブフッ…すげぇ‥リアクション…」
お腹を抱えて笑う彼女の隣に並び、恥ずかしいやら、嬉しいやらで、おかしな顔になっていた。
最初のコメントを投稿しよう!