願うなら…

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彼らの関係、それは本来ならおおっぴらにするものではない。いやいや、偏見など持たない、世の中自由だ、と言うのであれば問題はないのだが、あいにくと今の日本ではそうもいかない。 つまり… 彼ら--加納歩と中川蒼は、俗に言う恋人関係というものに当てはまる。 「ばれていようがいまいが、こういうことはするべきではない」 「何がダメなんだよ、愛し合う二人がいちゃつくのは当然のことだろ!」 「声がでかい!!」 蒼は容赦なしに歩の頭を叩いた。蒼の方が身長が高いので、それはキレイにクリーンヒットした。 「イタイ…」 当然、歩は頭を押さえてうずくまることになる。 「自業自得だ」 蒼は冷たく言い放った。
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