願うなら…

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…切り替えたつもりだったが、やっぱり面白くない。 素直に送って欲しいと言える子供も、自分の意見など聞きもせず事後承諾にした歩も、そんなことで不機嫌になっている自分も。 面白くない しかも、大助は歩と手を繋いでいる。 俺だって繋いだことないのに!! このまま帰ってしまおうかと思った時、大助は蒼の手も握ってきた。 「お兄ちゃんも送ってくれるんだよね」 「大助、このお兄ちゃんは、蒼って言うんだよ」 「蒼兄ちゃんか~」 大助はとても嬉しそうに笑う。それは歩を連想させる。 歩の顔を見ると、思った通、笑っていた。 3人は手を繋いで帰った。 (まるで親子みたいだな) 蒼は思った。が、すぐに頭を横に降った。 (何を考えてるんだ、馬鹿馬鹿しい。でも…) 蒼は歩と大助を見た。 (こういうのも悪くないな…) このまま歩も一緒にいられたらと、素直に思うことができた。 それもこの子供のおかげだろうか…
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