異国

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「ここです。」 と長次郎は立ち止まり言った。 「先生は少し気難しい方ですから、何分よろしくお願いします」 (攘夷と言うのは簡単だが、敵がわからねば喧嘩のしようもない。早く話が聞きたいのう) 二人して興奮ぎみで家の中へ入って行った。部屋へ案内され回りをキョロキョロ見回していた。 襖が開き、一人の男が入って来た。 「坂本くんか?わしが河田小竜じゃ。坂本くんの隣の御仁は誰じゃ?」 「こちらは佐々木戌太。上士です」 「佐々木です。話を聞きたくて参りました。よろしくお願いします」 と丁寧に話した。 「ほほう。郷士と上士の組み合わせとは珍しい。わしも珍しい話をせねばなるまい」 竜馬と戌太は顔を見合わせ、笑顔になった。
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