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「攘夷もよかろう。しかし、それには武力が必要じゃ。外国の文明っちゅー武器はこの国をすぐに灰にできるほど強力であり、幕府には対抗できる力はない。」
(なるほど、ペリーが来た時旗本は自分の槍ですら金がなくて買えなかったと聞く…幕府直参の旗本が…)
この日竜馬と戌太にとって大切な一日となった。その帰り道。
「船がほしいのう…」
と竜馬はポツリと言った。
「確かに。船は必要ですな。わしが潘を説きましょう。」
「いや、自分の船じゃ。ペリーは四隻の船と一発の砲撃だけで江戸を震えさせた。一隻あれば大名になれるぞ」
「なれますね!」
と戌太は答えた。
「坂本さん…今日の話も今の坂本さんの話も規模が大きすぎてわしには見えない部分もあった。しかしこんな乱世じゃ。わしも立つ時が来るじゃろと思っちょります。しかし…」
戌太は自分の頭をこづき
「こんな頭じゃ役に立たん。」
竜馬は胸を叩いた。
「武士は…、男はここじゃろ」
戌太は笑顔になった。
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