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土佐潘とは、上士と郷士に別れていて上士は斬り捨て御免といい、郷士が気にくわなかったら斬ってもよいという身分差別が異常な潘だった。
そんな中、佐々木戌太という上士がいた。戌太は好奇心の塊のような男で、誰とでも話して郷士にも差別はなかった。
その戌太は家でぼーっと(魚が食いたいのう)と考えていた。
「母上。魚を釣ってくるきに、夜は焼き魚にしてくれ!」
「はいはい。気をつけていってらっしゃい。転んで怪我などなさらないでくださいね」
「わしゃそんな子供じゃないきに」
ブツブツ言いながら竿と桶を持って出掛けた。
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