土佐藩

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「そうか…」 武市は少し安心した表情をした。 「これは他言無用ぞ。」 武市は紙を取り出し 「ここに署名してくれんかの」 戌太は快く名前を書き込んだ。 「土佐勤王党…」 戌太はつぶやいた。 「ふむ。あと署名を見て貰えばわかると思うが、おンしの他にも上士は何名かある。しかしそれは、位にこだわった無能な連中じゃ」 山内容堂や吉田東洋は自分が有能であり、無能なものを退ける人達である。 「おンしは、有能じゃ。容堂公に気にいられてもらいたい。」 「わしは阿呆ですよ」 「抜かりはない。今日から教育をする」 武市は大真面目に言った。 (ふむ、ということはわしは阿呆じゃと言われてるんだな…) 「…わかりました。ところで武市さん、英語を教えてくれる師匠さんを知りませんか?」
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