日常のおわり

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西暦2013年六月十七日 東京都立椎名学園 中庭 「・・・」 側のベンチに腰掛け少年はなにをするでもなく空を見ながら座っていた 「な~に黄昏てんだよ!」 後ろからの突然の声にハッとし、振り向く 「なんだ愁かよ、俺の視界に入ってくるな」 ウザそうに呟いた 「そんな冷たいこと言うなよ~!共に夜を過した仲じゃないか」 満面の笑みで言ってきた 「誰が!いつ!すごした!だいたい、お前にかかわるとろくなことがないんだよ」 少年はベンチから立ち上がり素早く後ろをとると愁の首に手を巻き付け力を込めた 「ギブ!ギブ!こ、これ以上は、きつい」 だが少年はそのまま続け、愁は白目をむき泡を吹き始める (ちょっとマジでやばいか?) 少年がそう思った時 「そろそろ、話してあげたら?マジで死ぬわよ?」 上から少女の声がした 見上げると、校舎の窓から身体を乗り出し手を振っている少女がいた、手を振りかえし視線を戻し 「そうだな、いいかげんにしないと殺人犯になっちまうからな」 そう言うと愁を放した 「樹!俺を殺すきか!」 樹はさも当然のように 「大丈夫だ。お前ならあの程度で死ぬわけがない」 愁は泣きそうな顔で 「たのむから俺を人間あつかいしてくれ・・・」 「あんた達本当に仲がいいわね~」 「遥香、お前これが仲がいい様に見えるなら病院に行ってこい」 いつ降りて来たのだろう。当然のように横に立っている遥香という少女は樹の言葉に対し半ばあきれた表情で樹と愁を交互に見る 「はい、は~い、馬鹿やってないで行くわよ~!」 「行くって何処に行くんだ?」 樹は首をかしげながら問掛ける 「何処って、今日みんなでカラオケ行く約束したでしょうが!」 [あぁ]と手をついて樹は何度も頷く 「そんじゃ改めて、いくわよ!」 「改めてなんて言わなくても良かったろ?」 ゴス!鈍い音ともに愁が地に伏している 「脇役が人に意見すな!」 愁のすぐ隣に見下ろすように遥香が立っていた 「行くなら早く行こうぜ、電車のり遅れるぞ!」 樹は愁のことを気にも止めず言い放つ 「は~い」 「おう」 愁・遥香がほぼ同時に返事をし、三人で歩きだす
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