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そうなのだ。
今の少女の格好は袴を履き腰に刀をさしていた。
少女は愚問だと言わんばかりに答えた。
「可笑しなことを言うんですね。人を斬るためですよ。それ以外に刀の使い道があるんですか?」
その答えに驚いたのであろう。
青年は目を見開き、少女を見た。
「女性なのに人を斬れるのですか?」
ピタッ
その言葉に少女は団子を食べようとした手を止めた。
「……か…………なぃ」
「え?」
「馬鹿じゃないの。女だからと言って人を斬れないとでも?」
低い声と軽蔑するような瞳で少女を怒らせたことが分かった。
「い、いえ。珍しかったので。
機嫌を損ねてしまったらすみません」
少年は素直に謝った。
その行為に少女は少なからず驚いた。
「…いえ…
素直に謝ったのでいいです」
少女はそう言うとお団子を食べはじめた。
それに安心したのか、青年も先程のような笑顔でお団子を食べはじめた。
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