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「あ、そうだ!
名前、聞いてもいいですか?」
「名前?」
「はい、せっかく仲良くなりましたし」
仲良くなったか?と少女は内心思ったが青年は嬉しそうだったから何も言わず団子を食べようとしたとき
「私の名前は、沖田総司です」
ピタッ
少女は食べるのをやめ、青年、沖田をみた
「…沖田……総司?」
「はい」
そう繰り返す少女に沖田は、この人もか…と心の中で思った。
沖田総司は壬生浪士、あとでいう新撰組の一、ニを争うほどの剣の達人だ。
新撰組はあまり好かれてるほうではなく名前を出すことはしたくなかったのだ。だが、少女なら嫌わないと思って言ったが…
…買い被りすぎましたね
沖田は心が冷めていくのが分かった。
「ご存知の通り壬生浪士の沖田総司ですよ」
沖田は先程と変わらない笑みで言う。だが、目は笑っていなかった。
その沖田に少女は気がつかず、首を傾げ沖田が予想していなかった言葉を言った。
「みぶ…ろう?なんですか、それ?」
「え?」
沖田は驚きのあまり目を見開いた。
「…壬生浪士を知らないんですか?」
「知りません
無意味な情報は覚えない主義なので」
少女のあるまじき言葉に沖田は目をぱちくりさせた
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